11/18 第6回子どもの声から始めよう勉強会を開催しました!

今回も多様な方々にご参加いただきました。参加してくださった方々、ありがとうございました!また、今回の勉強会の様子はTBS系報道番組Nスタにて取り上げられました。

午前の部のベーシックナレッジでは、『子どもの権利最前線―カナダ・オンタリオ州の挑戦』の第3部第2章「子どもの声とインクエスト」をもとに、川瀬信一さん、渡辺清美さんが発表してくださいました。

川瀬さんは、オンタリオ州がアドボカシーオフィスの設立において歩んだ道のりである「私的な活動から始まって、公的に認められて、安定して独立していく」といったソーシャルセクターの組織論について要約してくださいました。内容を踏まえ、「日本においてユースの声を聴く体制は、どのようにして形成できるのか?」という問いかけも。参加者からは問いかけに対して、「子どもの伝えたいことのニュアンスを曲げずに、行政側の大人などに翻訳して伝えられる人が必要」と言った意見などがでました。

また、一例としてマイノリティと呼ばれる人たちが文化を築くときの話も出ました。あるマイノリティの特色を主張することにより、世間に自分たちの困りごとや現状を伝えることができる一方で、その特色に違和感を覚える人もいる場合は、ジャンルとしては同じマイノリティに属していてもそれぞれの気持ちの差異が新たな生きづらさに繋がるといった危険性があること。「社会的擁護下の子どもたちだから」「LGBTだから」と言った分野に問わず、一人の人間として共感してもらえる気持ちを見出し、耳を傾けてくれる人たちから巻き込んで、気持ちの境界線を緩やかにすることが文化を溶け込ませるアプローチとして重要であること、などを学ぶことができました。

渡辺さんは、子どもの権利保護・改善に対する各国の取り組みを評価した「子どもの権利指数(2016年版)」において、日本は163ヶ国中31位であることを焦点を当て、「子どもの権利指数」を構成する5つの主要分野の中でも「社会生活」や「教育」は1位であるのに対して「子どもの権利環境」は101位から121位になっていることについて説明してくださいました(当日使用した資料はhttps://www.slideshare.net/mobile/KiyomiWatanabeChiba/1118-123347528で見ることができます)。内容を踏まえ、「子どもの権利環境が向上するために市民社会ができることは?」といった問いかけを提示しました。高校生から里親家庭で育ったユースからは、「私の里親は実子がいなくて私との接し方に悩むことが多かったと思うけど、悩みながらも私自身を”見よう”としてくれて、私の気持ちを”知ろう”としてくれたのが伝わっていた。私は自分が辛い時に先生に相談に乗ってもらえなかった経験があったけど、里親の”知ろう”としてくれている姿をみて、自分の気持ちを伝えようと思うことができた」とのエピソードをいただきました。

お二方の発表を通して、マイノリティな分野の声を世間に届けるためのキーワードとして、人が持つ「共感性」と「受容性」へのアプローチを行い、同時に高める必要があるという学びを得ることができました。

午後の部のストラテジックナレッジでは、日本における社会的養護の当事者団体の先駆け、Children’s Views and Voices(大坂)副代表の中村みどりさんをお招きしました。

みどりさんはご自身が乳児院・児童養護施設での暮らしを経験されたのちに、大学では奨学金等で大学に進学し社会福祉士を勉強し、社会福祉士になりました。現在は里親を支援するNPO法人キーアセット福岡オフィスにて勤務しています。幼少期の性格から、社会的擁護経験者として社会福祉に興味を持つようになったきっかけ、キーアセットの活動内容や活動にあたっての心構えなどをお話しいただきました。みどりさんの子どもの頃のお話しはかなり面白く暖かい話が多く、そういった経験が現在の活動で大事にしている「おもしろく楽しい場をつくること」という信念に通じていると知ることができました。

また、社会的養護経験者として2014年3月より構成労働省 社会保障審議会児童部会社会的養育専門委員会委員を務めていますみどりさん。当事者として委員会に参加するにあたって感じることや今後の展望などをお聞きしました。

みどりさんをはじめ、精力的に様々な活動をしている参加者との交流を通して各々の活動を振り返り、互いにエンパワメントすることのできる勉強会になったのではないかと思います。

今後の日本の未来をどのように発展していきたいのか、そのために自分にはなにができるのかをさまざまな視点から丁寧に振り返り、次のアクションにつなげる機会として、これからもより多くの方に参加していただきたいと思います。

次回、12月22日(日)は、慶應義塾大学の根岸弓先生をお招きいたします。


根岸先生は、大学院に進学し、社会的養護制度の国際比較研究で博士課程を修められ、最近では社会的養護経験者へのインタビューを通じて、参加する権利のさらなる保障を実現するための制度改革を提言されていらっしゃいます。

皆様お誘い合わせの上ご参会ください!

当日、TBSの夕方のニュースで勉強会について報道されました。