10/28 第5回子どもの声から始めよう勉強会を開催しました!

参加者は過去最多の26名!今回も多様なメンバーにご参加いただきました。


午前の部、『子どもの権利最前線―カナダ・オンタリオ州の挑戦』を読むベーシックナレッジでは、第3部第1章「子どもの権利擁護をすすめるアドボカシー事務所の活動」をもとに、佐藤真行さん、小山茂さんが発表して下さいました。


佐藤さんは、「アルコール依存の父親が母親に暴力を振るう家庭で育ったが、近所に助けてくれる人がいなかった。大人になってから「あの頃は大変だったね」と言われたことがよりショックだった」というお話から、オンタリオ州のアドボカシー事務所が取り組むコミュニティ開発の重要性を説いて下さいました。


小山さんの発表では、「社会的養護における苦情解決の現状は」、「高齢者福祉や障害者福祉では「措置」から「契約」へシフトしているが、児童福祉で進まないのはなぜか」といった問いかけがありました。参加者からは、各々の児相相談所や児童福祉施設で行われている苦情解決の取り組みが紹介されました。「権利とともに義務や責任のとり方を伝えていくことの必要性も論点になりました。また、「目黒虐待死事件でも被害女児の声が軽視されていた」といったコメントがありました。

午後の部、ゲストを招いて対話と議論を重ねるストラテジックナレッジでは、アフターケア相談所ゆずりは所長の高橋亜美さんをお招きしました。


・自立援助ホームに勤めていた頃、ブラック企業、解雇、望まぬ性産業への従事、妊娠、中絶、ネットカフェ難民、ホームレス、自殺など、少なくない退所者が困難に直面。相談できる環境をつくろうと、大晦日に退所者を歓待した。その様子を見ていた入所者は退所後、相談に訪れるようになった。都の調査などでも当事者が退所後に直面する困難な状況が明らかになり、アフターケア相談所ゆずりはを設立した。

・社会的養護を巣立った子どもたちは、虐待のトラウマを抱えながらも、親や家族を頼ることができないため、失敗することや立ち止まることが許されない。学歴が低かったり資格が無かったりして、安定した職を得ることが難しい。しかし、退所後は十分な支援が受けられない。そこでゆずりはでは、一人ひとりの相談内容に応じた伴走型の支援を実施している。当事者と一緒に、直面する困難を解決すること。経済的な困窮や労働問題、DV、妊娠・関係機関との接続や同行支援など。学習支援や就労支援も行っている。これらのプログラムは、困難に直面しながら何とか上げてくれた声がもとになっている。

・朝起きて、「生きていることが一番つらい」と思う当事者がいる。そういう人たちが回復していくのは、日常における人との関わりの中で。だから、私たちのような相談所が必要。全国でアフターケアを行っている事業所に呼びかけて「えんじゅ」を発足し、ネットワークづくりを進めている。


・動画「はじめてはいたくつした」の紹介
高橋さんが大学生のとき、実習先の児童養護施設で出会った、虐待から保護された女の子が、施設で初めてくつしたをはかせてもらったというエピソードを詩にしたもの。



参加者からは次のような質問が上がり、活発な対話と議論が交わされました。

・ボランティアで子どもと関わっているけれど、この先ずっと寄り添えるわけではない。どのようなスタンスで関わればよいか。
→たとえボランティアであっても子どもの中に「寄り添ってもらってよかった」という感情が芽生えたら、たとえ関わりが終わってしまっても、次のところでまたいい人と出会う確率が高くなる。バトンタッチしながら、みんなで支援を。


・里親によるアフターケアについて
→施設は組織で対応するので責任をとりやすいが、里親さんには負担が大きい。里親さんからの相談も多く、ゆずりはを使って一緒に対応を考えていきましょうと伝えている。

・My Treeペアレントプログラムが広がっていくために必要なことは
→虐待をする親が抱えている困難な状況に向き合うためには、スキルも、仲間も、お金も必要。「あったらいいな」ではなく、本気でやろうとする人が増えていくことが必要。


誰もが対等な関係性で対話と議論を重ねる半学半教の場。
ここでうまれたつながりが、勉強会の外にも広がりつつあります。


次回、11月18日(日)は、日本における社会的養護の当事者団体の先駆け、Children’s Views and Voices(大坂)副代表の中村みどりさんをお招きいたします。

皆様お誘い合わせの上ご参会ください!