9/2 子どもの声から始めよう勉強会を開催しました!

参加者は過去最多の21名!ユースの参加も多く、多様なメンバーにご参加いただきました。


午前の部、『子どもの権利最前線―カナダ・オンタリオ州の挑戦』を読むベーシックナレッジでは、川瀬信一さん、菊池真梨香さんが発表して下さいました。


川瀬さんからは、トロントのLGBTQフレンドリーな雰囲気が激しい迫害から解放を求めた当事者運動の積み重ねによって成立している点との比較から、「日本の社会的養護のアドボカシー活動は、誰を対象にどのような目的で何をしているか」という発問がありました。


Our Voice Our Turn Japanの菊池さん、International Foster Care Allianceのあおいさん、えほんdeみらいの高原さん、児童養護施設を離れた若者を描いた「レイルロードスイッチ」監督の西坂さんから、それぞれの活動における「当事者(対象者)」の定義、活動の目的と内容についてご紹介がありました。日本でも多くの当事者団体・当事者活動がすでに様々な実践を行っていることを改めて確認することができました。また、「当事者」は活動の目的によってその意味が変わること、境界をあえて曖昧にすることで、児童相談所による一時保護後ケアに至らなかった方など、様々なパターンの困難を包摂することができるのではないかという議論になりました。


菊池さんの発表では、LGBTQフレンドリーなトロントで生活した経験から感じた文化、アドボカシーオフィスや社会的養護当事者のコミュニティスペース、そしてLGBTQ当事者運動のシンボルとなっている519コミュニティセンターについて、写真を交えた紹介がありました。菊池さんからは「当事者活動でできていることは何か」という発問がありました。参加者からは、「アメリカのユースからは「日本では当事者が居場所活動をやっているのは良いね」と言われる」といった意見がありました。


午後の部、ゲストを招いて対話と議論を重ねるストラテジックナレッジでは、英国のアドボカシーに明るく、日本でのアドボカシー導入について実践的に研究されていらっしゃる、大分大学の栄留里美先生をお招きしました。栄留先生から以下のお話を伺いました。


・アドボカシーとは、「子どものために声を上げること。子どもをエンパワーすること。そのことによって子どもの権利が尊重され子どもの願いがいつでも聞いてもらえるようにする」こと


・英国では、子どもの措置を決める会議に、アドボケイトによってエンパワメントされた子ども自身が参加し意見を表明していること


・(支援者の見立てる)子どもの最善の利益を保障することよりも、子どもの声を代弁することに主眼が置かれており、権力の調整という意味合いが強いこと。


・「施設を出たい」という子からの依頼を受けて施設を出たい理由を書き出し手紙にする。障害のある子どもの生活を観察し、ある食材を嫌がる素振りに気付いて代わりの食材を調理員に提案する。子どもが出席する会議で子どもの声への反応が乏しい議長に講義するなど、子どもの味方として他の支援者から独立した存在であること。


・日本でも一部の施設で訪問型アドボカシーの導入が始まり、社会的養護経験者が活躍していることや、自立支援計画に子どもの声が反映されるなど成果が出ていること


参加者からは次のような質問が上がり、活発な対話と議論が交わされました。

・日本で社会的養護当事者の声が上がらないのはなぜか→リーダーシップ教育の必要性、歴史を踏まえることの大切さ、影響力のある理解者の存在…


・アドボカシーの必要性についてどのように説明すれば理解が得られるか→インフォーマルアドボケイト(=親)が機能していないため声を聞いてもらえない、つながりの連続性が必要…


・アドボカシーになる資格は→ウェールズでは125時間の研修(ロールプレイングなどの実践的なもの)


誰もが対等な関係性で対話と議論を重ねる半学半教の場、確かな手応えを得つつあります。また、私たちのプロジェクトのその先が少しずつ見えてきたように思います。


次回、10月28日(日)は、アフターケア相談所ゆずりは所長の高橋亜美さんをお招きします。皆様お誘い合わせの上ご参会ください!